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踊るなら選んだ相手と

昨日の感動の余韻にまだ浸っています(笑)。
・・・なんて書いたら良いのかわからないんですがね・・・。

でも、いろいろなところから感じたことをつらつらと(笑)。
感動はなかなか言葉では表せないのですが。

■セナ君はお茶会で「青い血が流れているのに人を愛したらどうなるか」というところを大切に演じたいみたいなことを言っていたようですが(レポ書いていた方のを読んだだけなのですが)、まさにそういうトートだったなと。
私、セナ君のトートが人間っぽいって書かれているのを見ていつも「?」って思っていたんですが(笑)、確かに後半はどんどん人間みたいになっていっているように思うんですが、序盤って私にはぜんぜん人間には見えませんでした(笑)。全然感情の動かない感じでしたし、表情もないですし。
でも、エリザベートに出会うところで、感情が瞳に揺らめきだすんですよね。ただ、まだ最初はすぐ冷静な表情に戻ります。
それがエリザベートからひどく拒否されたときに、初めてトートの中の何かが音を立てて崩れたんだと思いました。
あまりセナ君のトートからは「怒り」の感情って感じなくて・・・。エリザベートに拒否されたときもどちらかといえば、哀しそうだと思います。その拒否されたときの胸の痛みを感じている様子から、どうして自分はこんな感情になるんだ?!と戸惑いに変化し、またすっと冷静な黄泉の帝王の顔に戻る・・という繊細な変化がありました。
ミルクのところも、トートは何か確信を持って民衆を煽っているのではなく、その拒否されたことからくるよくわからない感情に突き動かされているように見えました。なので、あの場面の閣下はちょっと壊れかけているようで怖いです(笑)。
実は1幕ではすっと冷静に戻るときは、ただただ冷静なんですが、2幕ですっと冷静に戻るときはいつも哀しそうなんですよね。それは1幕のラストで「愛」を知ってしまったからなんだなと。
前にも書きましたが、だから2幕はエリザベートに対峙するときは人間っぽいですよね。そのぶんルドルフとのところは「死」なんですが。

それでふっと思ったのが、セナトートは人間と同じ動きをしているから人っぽいと言われるのかなと(笑)。
いや、だって妖しい動き全くしないトート閣下は久々な気が(爆)。
それにウィーンのカフェに現れるところも、服装がふつうですよね(笑)。他の人と変わらないので。
なんかそういう「見た目」のわかりやすい妖しさはないからそう言われるんじゃないかと。
でも、身にまとっている空気感がなんとも言えない異質感があって、逆にわかりにくくても確実に忍び寄ってくる「死」という存在感がなかなか怖い・・と思ったのです。

それと、たぶんトート閣下を周りの人間がどう見ているか?という芝居にもよるかなと。
カフェの場面であひエルマーとセナトートが握手するとき、あひエルマーはものすごい嬉しそうです(笑)。仲間になってくれるんだ!っていう感じのうれしさにあふれています(笑)(何気にセナあひ絡みが好きなのです)。
トートが人間でないことに全く気付かない。それって逆に怖い・・と思いました。気付かずに人間の横に立っているんですもんね。
ルドルフともそうかな。

でも、他のバージョンではエルマーが握手するときに不思議そうな違和感を感じた表情をしている時はありました。それは、いかにもそこにいる存在が異界のものであるかを感じているかのような印象を受けました。

怖さの表現というか「死」のあり方が違うんだなと思いますね。
ちょっと芝居を変えるだけでニュアンスが変わるのが面白いですね。

同じことをよく語っている気がするんですが(笑)、ラスト観劇はあまりにもこのあたりのことが明確で、まさにセナ君にしか表現できないトート像だったなと改めて感じたので。

■若い若いといわれ続けていたキャストですが、でも私の中ではけっこう役にはそれぞれ上手くはまっていた印象です。
マックスパパはリュウ様で、前にも書きましたが、シシィを愛してはいるけれど、家庭のことは放りっぱなしな自由人だという味が新鮮だったけれど、その解釈が宝塚版で出てきたのは初めてですし。
みっぽーちゃんのルドヴィカもヘレネのことに対して猪突猛進でがんばる母な感じが上手かったです。彼女の歌声にルドヴィカの歌はぴったりきていました。
あいあいゾフィーとすーちゃんリヒテンシュタインはなんかエリザベートと対立する王家の人々の堅い感じがよく出ていたし。
重臣チームもよく考えたら若いんですが、みなさん渋くて良かったし。
マデレーネは蘭ちゃんがより怖くなっていて(笑)驚きましたが、このマデレーネ像も新鮮でしたし。
子ルドルフのしずくちゃんは、とても表情豊かで、娘役さんなのにちゃんと男の子に見えました。なんせかわいい(笑)。
ヴィンデッシュの夏月都ちゃんもわたしはとても好きな演技でした。やりすぎることなく、でもエリザベートの悲しみが浮き上がるような・・・。彼女はこういう役もできるんだと新鮮でしたね。
ゆりあちゃんのヘレネはえらいドジっ子になってましたが(笑)、なんかちょっと困ったような顔立ちがヘレネのキャラにぴったりでした。
アンサンブルはとても良かったです。
やっぱりミーマイやギャツビーで力をつけてきているなと。
ミルクの市民なんてみんな超怖いんですが(笑)。迫力満点ですよ。
黒天使の踊りっぷりも見事でした。

一つの実験だったのかもしれないですね、専科を出さないというのは。
というのも、これから今居る専科の人たちがどんどん定年を迎えていなくなることは目に見えているから。
組の中で老け役もちゃんと全員でできるか?という部分のお試しだった気も。

そういう意味ではこれから先の宝塚の未来への試金石となっている公演なのかもしれないですね。

でも、私は十分できる人たちだと思いましたよ、本当に。

■実は今回の公演は日本・オーストリア修交140周年記念だとか。
プログラムで読んで「そうなのか!!」と(笑)。
そういう節目の公演でもあったんですね・・・。

■今回ラストですごく感動したのは、やっぱりちゃんと「たどり着いた」感があったから・・・だと思います。
トートは愛=エリザベートに巡り会ったし、エリザベートもずっと待っている存在=トートに気付き出会えたからだと。単に愛が成就するだけでなく、それがお互いを孤独から解放することだったというところにぐっときました。
恋愛になりすぎると「孤独」や「縛り」からの解放という面が薄められる面もある気がしました。
トートも孤独は寂しかったんだなと思えたというか(笑)(これ、「情熱大陸」を見る前から感じていたので、別にセナ君と重ね合わせているわけではないと思います)。あんまり今までそんなこと感じなかったので新しいなと思いましたね。
別に理屈じゃないんですよね。そこまでセナトートが凪七エリザベートを追い求めるようで待っているようで、そしてとても寂しそうで・・・そして凪七エリザベートが必死で人生を生きてきて・・・その過程にぐっときたので、そのすべてを昇華するようなラストのあの幸福感がたまらなかったです。

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月組「エリザベート」(09年)」カテゴリの記事

コメント

ラスト観劇されたんですね。次はDVDが楽しみですね!
桜月さんのブログでずいぶんと勉強させていただいたので、作品に対するイメージがかなり見えてきました。
これまでのエリザベートでは、作品の音楽や世界観になんとなく没入して見ていて、トートについてはエリザベートを追いかけ追い詰めるという印象でしか見えていなかった気がしますが、トートの中の孤独や寂しさをしっかりと感じ取ってみたいです!
瀬奈さんはトークで「エリザベートを演じてたときは一生懸命生きてて辛かったけど、トートの側から見たら『どうせ死ぬんでしょ』と言う感じで見える」と言ってましたが、きっとそこを逆手にとってそこまでの過程の心理変化をふくらませていったのかなあ・・なんて思えます。目がきくトートをしかと見つめたいです!
私は東京公演が始まった最初の日曜にまず観劇します。ルドルフは3人とも見れるので、いろんな味わいを楽しめそうで、さらに楽しみです!!
早く瀬奈トートに会いたいです!♪最近プロダクションノートとトートダイジェストばかり見てたので、「100年への道」に出演してる瀬奈さん映像が、とても懐かしかったです。そうそう、いつもはリーゼントだったんだよね、と(笑)

投稿: RICO | 2009年6月20日 (土) 20時09分

RICO様、コメントありがとうございます☆
千秋楽も終わって、ちょっと私燃え尽きていました(笑)。マイ楽観劇日にDVDBOXを予約してしまいましたよ(笑)。
本当に楽しい観劇の日々でした。

トートの感情は、わりと従来は「エリザベートを愛している!」のみが強調されていて、拒否されたら怒っている感じの感情表現の方が多かった気がします。
今回のセナ君のトートは寂しさや哀しさが滲む雰囲気がとても新鮮でしたね。
私もセナ君のそのインタビュー読みました(笑)。なるほどな・・と思いました。エリザベートの心を一番理解しているのは実はトートなのではないかなと思えたのも今回初めてだったかもしれないです。
それもきっとセナ君がエリザベートも演じているからだろうなと。
今まで、わりとトートとエリザベートが対立関係に見えていたんですが、今回そうは見えなかったのはセナ君も言っていたように、エリザベートの心に寄り添うような(それは優しさだけでなく、心の隙に入り込むという意味でも)トートだった気がしました。
目は・・・もうとにかくきかせると怖いと言いますか(笑)、あんまり怖さをセナ君が演じる役に感じたことがなかったので、あの怖さ(笑)はぜひナマで見てほしいです。

ルドルフ三人ともご覧になれるのはうらやましいです。私はあひルドルフに縁がなかったので・・・(苦笑)。

「100年の道」のリーゼント姿に「おぉ!!」と私もなりました(笑)。トート演じている最中にビルをイベントで歌うっていうのも、何気に面白いなと思いました。全然違う人に見えました(笑)。懐かしい感じは私もすごくしましたね。

投稿: 桜月 | 2009年6月23日 (火) 21時24分

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